2013年8月19日月曜日

『ワールドゲイズ クリップス』と『3月のライオン』―風車みたいな空転、スミスという軽さ

五十嵐藍さんの 『ワールドゲイズ クリップス』を買った。
お金ないくせに買った。でも、2冊にしておいた。レシートはすぐにどこかへやった。

最近、色んな人に「読んでるよ」「楽しみにしてる」という声を、(お世辞でしょうが)頂くので、ずっと気になっていたこの記事を書き直すことにしました。
元エントリは11年の11月頃だったかな。



五十嵐藍さんというと、『鬼灯さん家のアネキ』は有名かな、と思います

『鬼灯さん家のアネキ』は、一見軽薄なストーリーだけれど、展開が本当にうまい。
にくい、と言うべきか。
五十嵐さんの目を見張る実力もあって、ただ単なる「チャラい」漫画じゃなくなった。(他にいい言葉浮かばない)
設定だけ聴けば、最初はワンアイデアの、「なんでもない」「普通の」「面白い」漫画でしかないのに。

人気が出たから続刊して、あのような展開になったのでしょうが、五十嵐藍に脱帽です。
……あ、ちょっと褒め過ぎたかもしれません。
ハードルあげちゃうと、楽しめるものも楽しめなくなっちゃいますから。


『ワールドゲイズ クリップス』の視線、の回避


画像を見てすぐに誰しも感じることだと思いますが、何を差し置いても、表紙がズルい。
こんな目で、こんな表情をされたら、もう買うしかないですよねー


並べての本のように、キャラがこちらを向いているのでなく、身体は半ばこちらを向いているのに、目と顔は斜を向いていることが、かなり示唆的。
本編読了後には、「やっぱこの表紙じゃないとなぁ」という納得感すら得られることは請け合いです。


ラノベや漫画の表紙を改めて眺めてみてほしいのですが、ほとんどのものがキャラクターは「こちら」を向いていることかと思います。
アニメの「版権絵」も大抵そうですよね。あと、実は雑誌のグラビアも大抵「こっち」を向いています。

表紙のキャラクターや人物が、なぜ読者や手に取る人の方を向いているかというと、「手にとってほしい」からですよね、多分。
《似たような》本はたくさんあるし、《魅力的》で、《お金を出してまで読む価値のある》本なんて五万とある。
その中で、それでもあくまでも、この本を「手にとってほしい」からキャラクターや人物は、読者の方に視線を送っている。



しかし待て。

――――この本のキャラクターは、「こちら」を向いていないじゃないか。



なぜかということは語りません。
ワンコインかそこらなので、騙されてみてください。いいから読んでください。
そりゃ、合わない人もいるでしょうとも。
ただ合う人には、決して一生手放さない本になるでしょうけど。



追記。
この発想はお友達の、なぞべーむさんに負っています。NETOKARUでの寄稿が見つかったので貼っておきますね。
彼女たちの視線と、僕たちの視線――コンテクチュアズ「genron etc. #1」に寄せて


風車という軽さ



『鬼灯さん家のアネキ』を描いた人だけあって、何でもないストーリーが軽くて重い。(けれど、やはり軽い)

一言で表現すれば、風車みたいな話だと思った。



見ていて決して軽くないはずなのに、するりと読者を通り抜けていく。心で重いものがカラカラと空転する。重く見えるだけで、とても薄くて軽い。危うさすら感じるくらい、軽い。
そういう空転、そういう感じ。

登場人物、みんな水彩画みたいに薄くて、言葉はしんと静かなくせに、とても軽い。体重なんて無いみたいにまわっていく。

主人公が「委員長」だというのがまたいい。
委員長に当てられるラベルといえば――真面目、勉強ができる、(真面目すぎて)空気を読まない、(あるいは真面目すぎて)地味、(地味で)存在感が薄い

色々あるとは思いますが。


スミスという軽さ


『3月のライオン』3巻には、最愛のキャラであるスミスが主役のシーンがあります。
(将棋の盤面についてはこちらを)

彼の使う戦法も「風車」と呼ばれるものです。
その3巻の中にはこんな一節があります。

これがスミス(棋士)。軽い男?


後藤の型は 居飛車 穴熊
対する俺は 風車
後藤が「重く」「堅い」とすれば
オレは「軽く」「広く」が持ち味だ
(Chapter26 「黒い河」その② ※俺とオレの部分は原文ママ)



戦術面でも、生活面でも、迷っていたスミスは、敗北した対局の後で(そもそも、彼は「挑戦者」としてどれだけ落ち着いて相対するかということに腐心していた)、対戦者である後藤にこう言われます。



軽いな

――だが まだちょっと重い―― 
☗2六角とのぞいた後 ☖5二金と守ったな
☖6三金と上がった方が良かったな
あれで「重さ」が出てしまった 
……… 
身軽さが信条なのだろう
――ならば 
迷うな 
(同上)

感想戦で、「分厚い」壁である後藤に、スミスは後押しすらされてしまいます。
対戦者にそう言われた直後、スミスは対局からの帰り道で、「為す術なく完敗したあげく 憑き物まで落とされて フルコースかよ…」と、事も無げに認めてしまう。

相手の「強さ」だけでなく、自分の信念の「薄さ」も、後藤という男の「分厚さ」も認めてしまう。

スミスは、軽い。
風車のように軽い。

棋士にとって、将棋は、それによって口を糊するものでもあるのでしょう。
漫画家にとって、漫画が、生活を支える手段でもあるのと同じように。

それなのに、スミスは軽い。
帰り道、半ばテンションのままにやけっぱちで、「お姉ちゃんたちのいる店で飲んだくれる」か、「家に帰って布団をかぶってワンワン泣く」か、どっちにしてやろうか!と悩みながらも、ふと捨て猫を見つけてしまったスミスは、事も無げに、その子猫を連れて帰ってしまう。


スミスは軽い。
スミスを取り巻く生活そのものが、空転するようにまわり、たくさんのものを広く巻き込んでいく。

淡々と、「非行」に走る、『ワールドゲイズ クリップス』の委員長と同じで。
軽く、広く。

いや、委員長は学生だし、スミスのような「大人」よりは手の届く範囲は狭いけど。


からからと、淡々とまわっていく風車。
二人とも、「軽い」けれど、重くないけれど


――――無視できるわけがないのだ。彼らのように、「軽く」生きていない人間は。





……などと申しております。
ミルチでしたー

追記。そういえば、ドン・キホーテが挑むのは「風車(ふうしゃ)」でしたね。
羽海野チカさんが意識しているか否かとは全く無関係に、なかなか味わい深い気もします。


2013年8月15日木曜日

同人誌『カラフルパッチワーク』の通販に関して

どうも。ミルチです。
更新が遅くなってすみません。

同人誌の内容や、全体の統一的なテーマである「こじらせた青春」話を、歌人でお友達の馬場めぐみさんとお話した告知・宣伝Ustreamの録音がありますー!
(※ユーストの仕様変更で、告知動画は消えています↑)


同人誌の詳細や、頒布情報については、こちらをご覧ください。

同人誌の注文について

2015年12月追記:在庫がもうないと思っていたのですが、残り数冊ありました。→お早めに!



yuzumike✕gmail.com (✕は@に置き換えてください)
このメールアドレスに、以下の記入事項を記入した上で、件名を「カラフルパッチワーク」にしてお送りください(気付き漏れをなくすためなのでご協力を)。
メールを確認し次第、振込先や注文の確認のため、返信致します。
→万一 連絡がない場合、ツイッターなどでご連絡ください。

ご記入漏れや、誤記などありませんようご注意ください。

記入事項
・郵便番号
・住所
・氏名
・注文個数
・値段
・備考、質問などあれば

(注意!)
複数冊でも送料は一律300円扱いとし、同人誌本体は1200円とします。
つまり、三冊ご購入いただく場合は以下のようになります。
1200×3+300=3900円
この場合、上記項目の「値段」の箇所は、3900円とお書きください。
一冊ご購入の場合は、1200×1+300=1500円です

(注意!!)
当然ながら個人情報は、同人誌の送付以外の目的で使用致しません。

表紙絵「陽溜まりのようだ」byけーしん
この絵をみて満足しているそこのあなた!
この絵に対してモチーフを与えている物語を、ぜひ読んでみてくださいな!

ちなみにけーしんさんには表紙と裏表紙を担当してもらいました。

以下には、ざっくり関係者・参加者のツイートや、感想などをいくつか引用しておきます。













2013年8月9日金曜日

Dixie FlatlineさんのGUMI曲"Soul Breeze"を英訳していたので。

この曲が投稿された当時(12年の2月)、超ヘビロテしてました。ほんとにいい曲ですよね。音楽は、生活や人生を飾るもので、気分の調整にも役立ったりしますが、このナンバーは、まさにそのような意味での「音楽」にふさわしいものだと思います。
…平たくいえば、「名曲」ってことですね。

ある人から「PV的なものが作りたいから」と声をかけられて、1年以上前に、この曲の歌詞を英訳したのですが(英詞ではなく英訳)、ありがちな話、ぽしゃったので。
ずーっとお蔵(Dropbox)に眠らせておくのもなんかさみしいのでブログあげちゃう、的な気分なう。いまここです。

実際の内容は、元の歌詞→英訳→英訳の和訳の順番に書かれています。
英訳にあたっては、ニュアンスを勝手に染め上げて、かなり比喩を多用しています。多分、訳した当時は疲れてたんでしょうね。感傷的でちょっと酔ってる感ある。笑
AメロならAメロ同士で……、メロディの対になってる部分の、英語の文構造が対応するように訳してあります。
歌わないので、韻は踏んでません。



Dixie Flatline  Soul BreezeGUMIオリジナル曲)


今日の喧嘩は何のため
Why did we quarrel today?
(どうして今日は喧嘩したの?)
君の不満はいつか消えるの?
Your complaint will always linger on like a few bubbles.
(あなたの不満は、いつも泡みたいに残るよね)
平気だよって無理をして
ねぇ最後に笑いあったのいつだっけ?
When was the last time we'd talked and smiled as if everything was all right?
(なんにも問題ないみたいに、最後に、話したり笑ったりしたのは、いつだった?)


混ざってしまった愛と情
The nebulous mixture of two emotional things, namely romance and sympathy,
(曖昧に混ざった2つの感情、ロマンスと同情)
すがってしまえばどこにも行けない
It sometimes worked as fetters, which got us nowhere.
(それが時折、枷になったりして、二人共どうにもならなくなった。)
昨日を昨日にする為に
To say good-bye for the past days of us,
(過ごした過去の日々に、さよならを言うために)
お別れの言葉 悲しい言葉
I’ m saying some parting words, maybe unhappy.
(私は別れの言葉を言う。心が痛むような言葉かもしれないけれど)

そうさこんな感じで歩いていこう
Now, I’m gonna go my way of life like this;
(まぁ、こんな感じで、好きに生きようと思う)
肌をそよぐ風に 胸に宿る音を
Feeling the cheerful voice of my soul, animated by a bracing breeze
(爽やかな風に踊る、魂の朗らかな声を感じて)
流した涙の後に 続くよ僕の道
Shedding tears for you will be a guide for the future to my renewed way
(あなたのために流した涙が、私の新しい道に導く、未来への標になる)
心の荷物は置いていこう
Taiking off the load of my mind.
(心の重荷を下ろして)

人にはとても厳しくて  自分は言い訳ばかりなんて
You’re always strict to others and making excuse for yourself.
(あなたは、いっつも人に厳しくて、自分のために言い訳してる。)
どんな風に見えると思う?
Have you ever imagined how people think of you?
(人があなたのことどんなふうに思ってるか考えたことある?)
きっと君は気づいてないでしょ
I bet you never realize that.
(まぁ、そんなこと絶対気付かないってかけてもいいけど。)

出会ってしまった陰と陽
The unnatural encounter of two conflicting things, like light and shadow
(対立する2つの不自然な出会い、光と影みたいな)
気づいてしまえば訳のない話
It was a Columbus’s egg; we were too different to get along.
(コロンブスの卵みたいな話だった。うまくやってくいくには、私たち、違いすぎてた。)
明日を明日にする為に
To say hello for the coming days of each,
(それぞれのきたるべき日に挨拶するために)
お別れの言葉 正しい言葉
I’m saying my parting words, probably reasonable
(別れの言葉を言う。十中八九理に適っている言葉だと思う。)

そうさこんな感じで歩いていこう
Now, I’m gonna go my way of life like this;
(まぁ、こんな感じで、好きに生きようと思う。)
ささめく陽の光 頬に帯びる熱を
Feeling the anticipative flush on my cheek, encouraged by the soft sunshine
(柔らかい日の光の声援を受け、期待による頬の紅潮を感じて)
Shedding tears for you will be a guide for the future to my renewed way
(あなたのために流した涙が、私の新しい道に導く、未来への標になる)
心の荷物は置いていこう
Taking off the load of my mind
(心の重みを下ろして)

そうさこんな感じで歩いていこう
Now, I’m gonna go my way of life like this;
(まぁ、こんな感じで、好きに生きようと思う。)
肌をそよぐ風に 胸に宿る音を
Feeling the cheerful voice of my soul, animated by a bracing breeze
(爽やかな風に踊る、魂の朗らかな声を感じて)
流した涙の後に 続くよ僕の道
Shedding tears for you will be a guide for the future to my renewed way
(あなたのために流した涙が、私の新しい道に導く、未来への標になる。)
心の荷物は置いていこう
Taking off the loads of my mind
(心の重荷を下ろして)

la la la...
feel so high feel so good 長い雨の終わり
at the end of the lingering rain
(ぐずついた長雨の終わりに)

la la la...
feel so high feel so good 素敵な日の始まり
at the dawn of the wonderful days
(素敵な日々の夜明けに)


声をかけてもらったときは、これを歌うわけじゃないと聞いたので、曲で詞が対になっている所は、英訳の文構造も対になるようにしてみました。そこそこチャレンジングな訳かもしれません。
誤訳あったらすみません。大体はあってるはずだけど、テンスは怪しいかなw
元はもうちょっと現在形があったけど、掲載にあたって、作中主体がいままさに別れを言おうとしている《恋人》のことを語るときは、事実の指摘以上のものにならないように、多くはざっくり過去形に変えちゃいました。

雰囲気は出てるんじゃないでしょうか。英訳を経由することで見える、別のアスペクトを感じてもらえたら、「翻訳」の本義が達成されたと言えるでしょう。
僕、満足!

2013年8月3日土曜日

同人誌『カラフルパッチワーク』について(頒布・紹介など)

ようやく情報公開できます。
お久しぶりです、朝永ミルチです。こないだ23になりました。あまいものください。……それはさておきですね。。


同人誌の内容や、全体の統一的なテーマである「こじらせた青春」話を、歌人でお友達の馬場めぐみさんとお話した告知・宣伝Ustreamの録音がありますー!
ぐだぐだかつ前半の音声がロボロボしてるのであしからず。

私、朝永ミルチは同人誌を作ることになりました。みなさんの協力と好意の上に成り立っている創作系の同人誌です。
ほんとはコミケに委託したかったのですが、間に合いませんでした…orz



表紙絵「陽溜まりのようだ」byけーしん


通販・頒布情報


自家通販に関してはこちらを参照ください。→詳細はこちら

頒布予定イベントは、(今後のものはここに書きます)

サークル名は「カラフルパッチワーク」(同人誌と同じ)

委託イベントは、(今後のものはここに書きます)
(詳細なども随時更新)



同人誌について(ふわっとした説明?)


タイトルは『カラフルパッチワーク』。
いつの間にか、自分を取り囲んでいる「どうにもならないもの」「どうしようもないこと」。
人間関係における、自分を縛るもの。
本書に収録された、文章そしてイラストは、こういったことをモチーフが共通していると思います。

参加者の馬場めぐみさんが書いた小説の言葉を借りれば、こういうことです。
言ってしまったことは取り返しがつかないし、してしまったことも取り返しがつかない。あたしは13歳にして既に取り返しのつかないことに取り囲まれて生きている。(「さよなら夕焼け」 より)


13歳だろうと、23歳だろうと、きっと63歳だろうと、私は何かに縛られている。

もちろん、それはネガティブな意味合いだけではなくて。私を規定する何かだろうし。「私の可能性」という言葉に対応させるなら、「私の不可能性」とでも言うべき何か。
私が逃れられない、私でしかないもの。
そして、私を私にするもの……とまでいうと大げさか。

そういえば、森見登美彦が《だらだら》と扱っているのも、そういう話、「私の不可能性」なのかもしれませんね。
『四畳半神話大系』『有頂天家族』『夜は短し歩けよ乙女』にしろ)


私の手のひらの中には、それなりに沢山の色があって、幸せもあって、居心地もよくて。
でも、手の届くより遠くには、あまりにも不器用で。
不恰好に接木するように。ずっと水平にならない椅子みたいに。
そういう、カラフルな、寄せ集めた「私の不可能性」たち。

よくわかんないですよねw まぁ、いいや。
誰かに話したことはあるのですが、隠された個人的なテーマは谷川史子さんでした(谷川史子さん好きには読んでほしい)。けど、谷川史子さんだけでは満足できない。モチーフは重なるとこもあるけど、結構違うはずです。(『他人暮らし』、『P.S.アイラブユー』、『おひとりさま物語』とか)

個々の文章は下で紹介します。


『カラフルパッチワーク』の紹介(目次・値段)


与太話が過ぎましたね。

表紙はけーしん @keisin さん。ずっと好きで応援していたので(和紙道展でも、絵買ったくらい)、依頼できたことがまず嬉しいのですが、想像以上に魅力的なイラストがあがってきました。
ひいき目もあるでしょうが、けーしん絵で、最上位にいい絵じゃないですかね!!(自画自賛?他画自賛?)
裏表紙もけーしんさんに描いてもらいましたが、これは買ってのお楽しみ、です。


目次は以下の通り。目次上の表記では、敬称略。

No.1 エッセイ「水流に見る夢」 文:坂上秋成、絵:さんざし 
No.2 エッセイ「欲望の行方」 文:馬場めぐみ、絵:大沼もん 
No.3 小説「さよなら夕焼け」 文:馬場めぐみ、絵:おきつぐ 
No.4 小説「魔法使いはいらない子」 文:朝永ミルチ、絵:くぼみ

なんと、全部で74ページです。サイズはA5
わーお。自分の原稿が長すぎて絶望的ですね(自分の財布が)。


価格は、イベント頒布1,000円
通販は送料込みで1,500円。直接自分に会える人にも1,000円で手売りします。

大丈夫です、これでも十分赤字なのでwwww
……ソンエキブンキテンナド,ソンザイシナイ!! …(`;ω;´)笑
あまり部数は刷ってませんのでお早めに。

コンテンツ紹介(個々の紹介)


簡単に参加者と内容の紹介をします(大体出る順)
・「水流に見る夢」
文芸批評家で小説家(13年4月に『惜日のアリス』を上梓されました)の坂上秋成 @ssakagami さんのエッセイ。(ちなみに、小説の感想もブログに書いています。)
タイトルがなかなか巧妙で、文章もなかなかニヤリとできる内容なので、挿絵は結構時間をかけて相談をして、さんざし @xxsanzashixx さんに描いてもらいました。
「坂上さんのエッセイ読みたいなぁ。それも、普段聞かない話題で」

……この目論見は間違いなく達成されました。


・「欲望の行方」「さよなら夕焼け」
馬場めぐみ @onemomonga さんは、短歌研究新人賞を受賞された歌人です。
個人的に彼女の言葉に興味があって(馬場さんの興味に興味があるというより)、それにとても《変わった》方なので、ずっと注目していました。短歌以外にはなにをしたら、もっと面白い・より新しい馬場めぐみが見れるだろうか、と考えて、小説を書いてもらいました。

依頼をする前から、馬場さんの小説に付くイラストはおきつぐ @okitugu_ さんがいいなと確信していたので、そのように。「百合小説を書きます!(ふんすふんす)」と意気込んでいた馬場さんですが、ベタベタ百合っぽい小説というより、しみじみ百合です。超真っ当な青春小説だと思います。何度も読み返して、小説の「言葉」を確かめてほしい小説です。正直、3回目くらいでちょっと泣きました。ちょっとだけ。


エッセイは、ツイッターでよく出てくる話題の一つであるバンプ・オブ・チキン関係。バンプでロキノン?に文章を書いたこともあるだけあって、愛が重いですw 馬場さんのファンでもある大沼もん @onm_ctrn さんが挿絵。インタビューと一緒に読めば、より楽しめると思います(インタビュー「思い詰めの詩学」)。


・「魔法使いはいらない子」

最後の自分の小説は、魔法がオワコンになって、科学に代替されてるという設定の現代のお話です。
とはいえ、相変わらず一部の大学では、「魔法学」が学究されていて、お金にならないし担い手もいない、使い勝手も悪い魔法を学びたがる男の子が主人公です。
魔法の潜在能力も大して持っていないまま、飛び込んだ世界では……。

人生がいつ「本番」を迎えるのか、と。悶々としている感じの思春期さんです。
挿絵は、昔からの馴染みである、イラストレーターのくぼみさんに描いてもらいました。正直神がかってるイラスト。

依頼をメインにして、申し訳程度の文を書く
つもりが、長くなってしまって我ながらしょんぼりしているのですが、結構自分のものも面白いのではないのかな、と思ってます。多分、面白い。うん、面白い。(言い聞かせ)


全体的に、統一感のある本になったんじゃないかな、と思います。
編集も頑張ったので手にとっていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします◎
質問などは、ツイッター(@mircea_morning)か、メールyamanekojumpあっとyahoo.co.jpまで。メールは気づくの遅れると思うのでツイッター推奨です。
追記。『都市のイメージ、イメージの都市』という同人誌も作ってます。こっちは電子版売ってます。300円です。